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デジタルデザイン

配色とタイポグラフィの実践 — 読みやすく印象に残す

配色とフォントの組み合わせを意図的に選ぶ手順と、読みやすさを損なう典型的な失敗の直し方を確認します。

Zocchic Creative Academy 編集部 約5分

レイアウトが整った画面でも、配色とフォントの組み合わせが不用意だと、印象が散らかったり文字が読みにくくなったりします。ここではデジタルデザインの基本 — レイアウト・余白・視線誘導で組んだレッスンカード画面を例に、パレットと書体を「なんとなく」ではなく理由を持って選ぶ手順を確認します。

要点

配色は色数を絞り、ベース・アクセント・テキストの役割を先に決めると崩れにくくなります。書体は見出しと本文で役割の違うフォントを1〜2種類に絞るのが基本です。文字色と背景のコントラストはWCAGの基準(通常文字でおおむね4.5:1程度)を目安に確認します。ただし装飾性の強い書体は読みやすさより印象づくりが目的になる場面もあります。

色は「役割」で選ぶとブレない

配色で失敗しやすいのは、いいと思った色を思いつくままに増やしていくパターンです。先にベースカラー(背景・余白に使う中立色)、テキストカラー(本文用の濃い色)、アクセントカラー(ボタンやリンクなど注目させたい箇所)という3つの役割を決め、それぞれ1色ずつに絞ると、後から色を足したくなっても迷いにくくなります。レッスンカードの例では、背景をオフホワイト、本文をほぼ黒に近いグレー、ボタンだけ緑系のアクセントにすることで、押せる場所が一目で分かる画面になりました。

コントラストは目安の数値で確認する

文字色と背景色の組み合わせは、感覚だけで「読めそう」と判断せず、コントラスト比を確認する習慣をつけます。WCAGでは通常サイズの文字でおおむね4.5:1、大きな見出し文字ではおおむね3:1を目安とする基準が示されています※1。薄いグレー文字を薄い背景に載せるデザインは見た目が上品に見えても、実際にはこの基準を満たさず読みにくいことが多いので、迷ったら文字色を一段階濃くする方が安全です。

タイポグラフィ — 見出しと本文で役割を分ける

フォント選びも配色と同じで、種類を増やすほど画面はまとまりを失います。基本は見出し用と本文用で性格の違う書体を1組(多くても2組)選び、太さ(ウェイト)の違いで階層をつけることです。見出しに個性のある書体、本文に読みやすさ重視の書体を組み合わせる「タイプペアリング」の考え方は、Google Fontsの解説でも整理されています※2

よくある失敗と直し方

よく見る失敗は、見出しと本文にほぼ似た太さ・似た雰囲気の書体を選んでしまい、階層が生まれないケースです。直し方は単純で、見出しの太さをひとつ上げる、または本文より一回り大きくするだけでも階層は見えてきます。もう一つの失敗は行間を詰めすぎることです。本文の行間は文字サイズの1.4〜1.6倍程度を目安にすると、日本語でも読みやすさが保たれます。配色・書体・余白の3つは独立して考えず、常にセットで見直すのが実践的です。

余白でグループをつくる — 配置は「近さ」で伝える

配色と書体が決まっても、要素の間隔がばらばらだと画面はまとまって見えません。人は近くにあるものを1つのまとまりとして認識するため、関連する要素どうしは近づけ、無関係な要素とは十分に離す、という「近接」の原則を守るだけで情報が整理されて見えます。見出しとその本文は近づけ、次のブロックとの間はしっかり空ける——この差をはっきりつけることが、読み手の視線を迷わせないコツです。余白は「余り」ではなく、グループの境界を示す設計要素として意図的に使います。レイアウトや視線誘導の基本についてはデジタルデザインの基本で詳しく扱っています。

印象づくりを優先する場面もある

一方で、すべての画面で読みやすさを最優先すべきとは限りません。ブランドの世界観を伝えるトップページの見出しなど、装飾性の強い書体やコントラストの弱い配色を意図的に使う場面もあります。とはいえ、それは「読みにくさに気づいた上で選んでいる」状態であるべきで、気づかずに読みにくくなっているのとは違います。一貫したビジュアルスタイルを作り込むで扱うようなスタイルルールを先に決めておくと、こうした例外の線引きもしやすくなります。AI生成の配色案や書体候補を使う場合も、最終的な読みやすさの判断は人が行う必要があります。

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参考文献

  1. W3C. "Understanding Success Criterion 1.4.3: Contrast (Minimum)." WCAG 2.1, https://www.w3.org/WAI/WCAG21/Understanding/contrast-minimum.html
  2. Google Fonts. "Knowledge: Choosing Type." fonts.google.com, https://fonts.google.com/knowledge/choosing_type

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